無痛分娩

出産のご案内

無痛分娩

穏やかな気持ちで赤ちゃんを迎えるために

お産の痛みは多くの女性にとって生涯で経験する最も強い痛みです。当院ではこの痛みを和らげる分娩方法の一つとして無痛分娩を行っております。

無痛分娩

当院の無痛分娩のご案内

無痛分娩では陣痛の痛みに対する不安を和らげリラックスしてお産に臨むことができること、お母さんの体力の消耗を抑えられること、お産の進行をスムーズにすること等が期待されます。
 
当院では常勤の麻酔科専門医と産婦人科専門医が無痛分娩を担当しております。

『無痛』というと完全に痛みがなくなってしまうように思われるかもしれませんが、実際には感覚を全てなくすのではなく、麻酔を用いて耐えられる陣痛になるよう痛みをコントロールしていきます。当院では硬膜外麻酔という麻酔方法を用いて無痛分娩を行っております。

お産の進み具合、お母さんの様子、赤ちゃんの様子を見ながら麻酔を調節していきます。同じように麻酔をしても「麻酔の効き具合」「痛みの感じ方」には個人差があり、ほとんど痛みを感じない場合もあれば、思っていたほど痛みが楽にならない場合もあります。

無痛分娩では、麻酔に伴う副作用/合併症が出現する可能性がゼロではありません。十分な安全管理体制のもとに行われるべき医療行為であり、お母さん、赤ちゃん共に継続的なモニター管理とそれを監視するスタッフが必要となります。そのため当院では平日日中での計画的無痛分娩を原則としております。

また、ご希望の方すべてに無痛分娩を提供できる体制を整えたいところですが、現状では数を限らせて頂いております。

無痛分娩の流れ

出産予定日が決まり、当院で無痛分娩をご希望の方はお早めに産科医師にお申し出ください。ご予約をお取り致します。その後、24週までに当院の無痛分娩クラスの動画をご視聴いただきます。

  1. 医師から無痛分娩のご説明
    35週頃、医師から無痛分娩および麻酔の説明があります。
  2. 子宮や赤ちゃんの状態を確認し、日程調整
    35~37週以降の妊婦健診にて子宮の状態や赤ちゃんの状態を確認し、患者様と相談しながら外来の担当医により日程を決めさせて頂きます。おおむね38~40週前後で予定が組まれます。
    ※日程が決定した後でもその後の所見によっては、より安全でスムーズなお産のために予定の変更をご提案することがあります。
  3. 前日・前々日に入院し、子宮口拡大の処置
    計画的無痛分娩予定日の前日または前々日にご入院頂き、必要に応じて子宮口を開大させる処置を行います。この日、麻酔薬は使用しないため普通にお過ごしいただきます。
  4. 当日の準備
    当日の朝から胎児心拍モニターや血圧計等のモニターを装着し点滴による補液及び必要に応じて陣痛促進剤の投与を開始します。硬膜外カテーテルを挿入します。
  5. 痛みに合わせて麻酔開始
    痛みが出てきたら麻酔を開始します。硬膜外麻酔開始後20から30分程で麻酔効果が現れます。担当医が麻酔効果の確認をします。その後、機械式のポンプを使い継続的に麻酔薬を投与していきます。

麻酔開始後

  • 定期的に担当医と担当助産師が麻酔効果の確認および診察を行います。
  • 血圧を定期的に測定し、心電図、酸素飽和度モニターおよび胎児心拍モニターを継続的に装着します。
  • 運動神経に麻酔が作用すると足に力が入りにくくなり転倒する可能性があるため、安全を考慮しベッド上でお過ごしいただきます。
  • 食事は取れませんが、水分(経口補水液、スポーツドリンク、水、お茶)は摂取していただけます。麻酔中に限らず陣痛がきている妊婦さんは胃腸の動きがにぶくなっており、嘔吐した際に誤嚥の危険が高くなるためです。点滴で水分補給をします。
  • 尿意がなくなることがあるため、定期的に細く柔らかい管で尿をとります。(導尿)

※経過中、気になることや症状の変化があったときは遠慮なくお申し出ください。

分娩

いよいよ分娩です。麻酔効果が十分で痛みがない場合でも「お腹が張っている感じ」は分かります。いきむタイミングがわからない、上手くいきめないなどの状況もあるかと思いますが、医師、助産師がお手伝いいたします。硬膜外麻酔は分娩時の傷の縫合時にも有効です。痛みを感じることなく傷の処置ができます。

傷の処置が終わり、産後の出血や傷の状況に異常がないことを確認後、硬膜外カテーテルを抜去します。硬膜外麻酔の効果がなくなると傷の痛みや後陣痛の痛みを感じるようになります。以降は通常の痛み止めで対応します。

硬膜外カテーテル留置手順

  1. 処置の前に母体の血圧/心拍数/酸素飽和度および胎児心拍数を確認します。
  2. ベッドの上で横向きになり、膝を抱えるように丸くなる姿勢をとります。
  3. 背中の消毒をします。
  4. カテーテルを挿入する場所の皮膚に局所麻酔の注射をします。
  5. カテーテルを挿入するための細い針を穿刺します。
  6. 針が適切な位置にあることを確認し、カテーテルを挿入します。
  7. カテーテルを残し、針を抜きます。
  8. カテーテルの位置が正しいことを確認するために少量の麻酔薬を投与し安全を確認し終了です。
  9. 背中にテープでカテーテルを貼り付け、首の横から注入口が出るように固定します。
  10. その後はベッド上でお好きな姿勢でお過ごし頂きます。

当院の無痛分娩の実績(過去5年間)

経産婦初産婦無痛分娩総数
2018年524799
2019年6347110
2020年10784191
2021年160131291
2022年154122276

無痛分娩の実績(経産婦と初産婦の内訳)

無痛分娩に関するQ&A

日本産科麻酔学会のWebサイトに無痛分娩に関する正確な情報に基づいたQ&Aが公開されておりますので、ご不明点がある方はこちらをぜひご覧ください。

日本産科麻酔学会

分娩に関連した急変時の体制

急変時の体制:必要時は高度医療機関(日本医科大学附属病院)へ搬送

無痛分娩に関わるシミュレーション研修一覧

2022年度

2022年5月 グレードA振り返り
2022年5月 無痛分娩急変時の対応
2022年7月 グレードA
2022年8月 グレードA
2022年9月 双胎帝王切開術について
2022年10月 グレードA

2023年度

2023年1月 HDPの分娩
2023年4月 グレードA
2023年4月 分娩後の多量出血
2023年6月 陣痛室での分娩対応
2023年9月 グレードA

無痛分娩に関する情報公開

当院では妊婦様やご家族様が安心して無痛分娩をご希望いただけるように「無痛分娩関係学会・団体連絡協議会(JALA)」に登録・承認された情報を公開しております。

無痛分娩関係学会・団体連絡協議会(JALA)